Translate

2026年9月15日火曜日

40高中


「40高中」は、昔、道路の路面に記載されていた交通標識で、中速車・高速車の制限速度を示すものです。現在は中速車・高速車という区分がなくなったため、ほとんど見かけなくなりました。

70年代に日本のフュージョン界で活躍した高中正義は、この標識をもじったジャケットのアルバムを発表しています。アルバムタイトルは「AN INSATIABLE HIGH」です。

高中正義の正式なプロデビューは、成毛滋とフライドエッグへの参加から始まります。当時、天才的な才能を持つ成毛滋がいたため、ギターを弾かせてもらえず、ベーシストとして参加していたと言われています。

その後はサディスティック・ミカ・バンドを経て、ギタリストとしてソロ活動を行い、次第にギタリストとしての人気を高めていきます。

70年代の軽やかで爽やかな音楽性とギタープレイには定評があり、当時から人気を集めていましたが、現在では海外でもライブを開催するなど、世界的な人気も高まっています。

70年代の、いわゆるシティポップ人気の波に乗ったとはいえ、高いギターテクニックは健在で、その音楽性も海外のファンを獲得するのに十分だったのでしょう。

本人も、70歳を過ぎてからの人気の高まりに驚いているという趣旨のコメントを出しています。


高中正義が金ね欧米で再発見された経緯はどのようなものだったのでしょうか。

高中正義が近年、欧米をはじめとする世界的な人気を急激に高めている背景には、インターネットを通じた音楽的再評価と、時代を超越したエモーショナルなサウンドの魅力があります。

シティポップ・フュージョン再評価とSNSの波及

海外で火が付いた最大の契機は、1970〜80年代の日本の「シティポップ」や「ジャズ・フュージョン」に対する世界的な再評価ムーブメントです。ヴェイパーウェーブやフューチャー・ファンクといったインターネット発の音楽ジャンルを通じて日本の古い楽曲がサンプリングされ、感度の高い海外の若者たちの間で話題となりました。その中で、インストゥルメンタルを中心としながらも抜群にキャッチーで洗練されたメロディを持つ高中の楽曲が、YouTubeやSNSを介して国境や世代を超えて共有されていきました。

言葉の壁を超える「歌うギター」と幸福感に満ちたサウンド

ボーカル曲が主流のポップスシーンにおいて、高中のギターは「まるで歌っているかのような」表現力豊かなメロディを奏でます。『BLUE LAGOON』や『READY TO FLY』などに代表される、夏やリゾートを想起させる開放的でエモーショナルなフレーズは、歌詞の言語の壁を越えて直感的にリスナーの心を掴みました。クラシックロックやジャズ・フュージョン、サンタナなどのファン層からも「最もハッピーで純粋に楽しめる音楽」として熱狂的に受け入れられています。

データ分析が生んだ大規模なワールドツアーの成功

こうしたストリーミングやSNSでの熱狂は、現実のライブ需要へと結びつきました。プロモーターが世界中のリスナーの再生データを分析し、ファンが多い都市を割り出したことで、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルスなどを巡る大規模な海外公演やワールドツアーが実現しました。現地の会場には、アルバムジャケットの赤いスーツを真似た衣装を着た20代の若者たちが詰めかけ、満員の観客がギターリフに合わせて大合唱やモッシュ、クラウドサーフィンを起こすなど、日本とはまた違った熱狂的な盛り上がりを見せています。

デビューから半世紀を経て、自身のスタイルを変えることなく世界と繋がったその現象は、日本のインストゥルメンタル・ミュージックにおける歴史的な快挙として現在も大きな注目を集めています。


0 件のコメント:

コメントを投稿