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2026年9月29日火曜日

子供の頃の記憶と音楽



子供の頃の記憶は年齢を重ねるにつれて曖昧になっていくのが自然ですが、いくつかはいまでも思い出せる記憶が誰にでもあるのではないでしょうか。個人的には、初めて母親が映画に連れて行ってくれた作品が日本映画の『地獄』であったことを覚えています。

もちろんタイトルを覚えていたわけではなく、その映画の一部のシーンが記憶に残っているのです。また、映画館の前に「閻魔大王」のパネルがあったのですが、母親が怖がらせようと思って私をパネルに近づけたものの、まったく驚きませんでした。しかし、映画を見終わった後に同じことをされた時には泣いた記憶があります。

こうしたインパクトのある記憶は60年以上経過してもはっきり覚えているものですが、人間の記憶は曖昧なので、本当の記憶なのか、後で母親から聞かされたことを記憶と勘違いしているのか、その可能性も否定できません。

他にも小学校のときに野球やスキーをやっていたことや、自転車に乗る練習をしたことなども断片的に覚えてはいますが、映画のエピソードほど鮮明ではありません。

しかし、不思議なことに音楽が記憶と結びついていると意外にもはっきり覚えていたり、音楽を聞いて古い記憶が蘇ったりすることは、皆さんも経験しているのではないでしょうか。

ビートルズが来日したときにTV放送された記憶があり、それに関連して祖母がビートルズを知っていることに驚いた記憶も残っています。音楽とは直接関係ありませんが、祖母がプロレス中継を見るたびに、レフェリーのことを相撲の「行司(ぎょうじ)」と呼んでいたことも思い出すことがあります。プロレス中継と祖母の記憶がつながっているのです。

音楽は特に感情を刺激することが多いので、その時の記憶と結びつきやすいのではないでしょうか。個人的には、2010年代に良くない出来事があったときにヒットした「バッド・デイ(ダニエル・パウター)」や「ユア・ビューティフル(ジェームス・ブラント)」は、大好きな曲ですが複雑な気分で聴いてしまいます。

反対に、子供の頃に聴かせる曲には十分注意したほうがいいかもしれません。いくら自分が好きだと言っても、幼児にヘビーメタルを聴かせるのはやりすぎでしょう。将来有名なヘビーメタルのミュージシャンになる可能性はありますが、情緒不安定になったりトラウマになったりする可能性も否定できないからです。

やはり物心がつかない時期には、心が落ち着く安定した曲を聴かせるのが無難だと思います。

しかし、思春期になれば何を聴いていても親にやめさせる権利はありません。それに、否定されればされるほどのめり込んでいくのが青春時代というものです。

ボブ・ディランの曲「時代は変わる(The Times They Are A-Changin')」の歌詞に、以下のような有名な一節があります。

"Don't criticize what you can't understand"

直訳すると「自分が理解できないものを批判するな」という意味になります。曲が発表された60年代は、それまでにない音楽やサブカルチャーが花開いた時代です。現在では気にする人もいない男性の長髪などもその一つでした。

これらは、若者文化を頭ごなしに否定し、やめさせようとした親世代に向けたメッセージです。これは今でも教訓として十分通じると思います。自分と考え方が違う人を否定する文章はSNS上にあふれています。そこで、この一節を知らなかった人はこれを覚えておいて、SNSを発信する前に思い出してみましょう。

批判は相手の考えを理解したうえで行うもので、理解できないからと拒絶し否定するのは、単なる誹謗中傷なのです。





2026年9月28日月曜日

アニメのテーマ曲とエンディング

昔のアニメの主題歌といえば、作品に合わせて作詞・作曲されたオリジナルの楽曲が常識でした。「サザエさん」のテーマソングが典型的な例で、日本人であれば誰でも口ずさめる曲になっています。他にも「いなかっぺ大将」の主題歌などが有名です。歌手は当時まだ無名だった吉田よしみ(後の天童よしみ)で、後に大ヒット歌手となった際に「この歌も歌っていたのか」と話題になりました。

当時のアニメは子供向けがほとんどだったため、子供にもわかりやすい歌詞やメロディーが必要だったのでしょう。しかし、1980年代以降、アニメの主題歌事情は大きく変化していきます。

もちろんアニメの内容に沿った歌詞の主題歌もまだありましたが、有名ミュージシャンの楽曲やタイアップ曲が増えていきました。アニメを観る世代が子供から10代後半以上まで広がったことも要因の一つでしょう。

◆80年代アニメの主なテーマソングと歌手・ミュージシャン

  • 『CAT'S EYE』(杏里):『キャッツ・アイ』オープニング

  • 『タッチ』(岩崎良美):『タッチ』オープニング

  • 『Get Wild』(TM NETWORK):『シティーハンター』エンディング

  • 『摩訶不思議アドベンチャー!』(高橋洋樹):『ドラゴンボール』オープニング

  • 『愛をとりもどせ!!』(クリスタルキング):『北斗の拳』オープニング

こうしてみると、「Get Wild」をはじめ、アニメのタイアップとして有名アーティストを起用する傾向が強まっていったことがわかります。

◆90年代アニメの主なテーマソングと歌手・ミュージシャン

  • 『プラチナ』 / 坂本真綾 (『カードキャプターさくら』OP)

  • 『世界が終るまでは…』 / WANDS (『SLAM DUNK』ED)

  • 『煌めく瞬間に捕われて』 / MANISH (『SLAM DUNK』ED)

  • 『そばかす』/ JUDY AND MARY(『るろうに剣心』OP)

これらの曲の多くは、アニメの物語や設定とは直接関係のない、アーティストのタイアップ曲(または既存曲)です。なぜこうした傾向が強くなったのかというと、当時のレコード会社(現在の音楽レーベル)のマーケティング戦略が大きな要因とされています。

言葉は悪いですが、アニメというメディアを活用してタイアップを行い、楽曲のヒットやミュージシャンの知名度を上げることが目的であり、その思惑は見事に成功したと言えるでしょう。

2000年代以降は、こうした露骨な商業主義的タイアップに対する見直しが進みつつも、原作の雰囲気を考慮した既存曲(洋楽など)を採用するケースも出てきました。オリジナル曲だけに固執せず、作品の世界観と合致していれば積極的に採用するという柔軟な方向性に変化してきたのかもしれません。

『ジョジョの奇妙な冒険』のエンディングにイエスの「Roundabout」が起用された時は、洋楽ファン・プログレファンとして胸が熱くなったのを覚えています。『ジョジョの奇妙な冒険』は登場人物やスタンド名に洋楽の楽曲やミュージシャン名が多数登場するため、洋楽ファンにとってもたまらない作品です。

※進撃の巨人は久しぶりにリアルタイムで追い続けた漫画でした