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2026年10月10日土曜日

ボクと君と愛しきペットたち――洋楽ロック・ポップスに聴く犬と猫

YouTubeを見ていると、ペットの犬や猫の動画が目立ちます。再生数も多いので、それだけペットに癒される人が多いのでしょう。60〜80年代の洋楽でも、犬や猫がタイトルや歌詞に出てくる曲が数多く存在します。


個人的に最初に思い出すのは、レッド・ツェッペリンの「ブラック・ドッグ(Black Dog)1971年」ですが、これはペットを歌ったものではないようです。しかし、初めて聴いたときは、それまでのロックにはなかったイントロと変拍子に衝撃を受けた記憶があります。


いわゆる一発屋と言われているミュージシャンにロボ(Lobo)がいました。そのロボのヒット曲が「僕と君とブーという名の犬(Me and You and a Dog Named Boo)1971年」というタイトルでした。二人と一匹で旅をするロードソングですが、当時も今もお気に入りの一つです。


一方で、猫のほうも負けてはいません。ストレイ・キャッツの「ストレイ・キャット・ストラット(Stray Cat Strut)1981年」は、バンド名と曲名の両方に「猫」が含まれています。また、個人的に思い入れがある曲として、アル・スチュアートの「イヤー・オブ・ザ・キャット(Year of the Cat)1976年」があります。


この曲は大学時代に身内のコンサートで歌った記憶があります。日本の十二支には「猫年」はありませんが、ベトナムの占星術(干支)には「猫年」があることを知ったのはつい最近です。


60年代には、バート・バカラックが作曲し、トム・ジョーンズがヒットさせた「何かいいことないか子猫ちゃん(What's New Pussycat?)1965年」があります。同名映画の主題歌ですが、バート・バカラックらしい軽快な楽曲です。

以下は60〜80年代を中心に、タイトルに動物が含まれる有名な洋楽のリストです。

  • 鳥(Bird / Blackbird / Eagle)

    • 『Blackbird』(ビートルズ / 1968年)

    • 『Fly Like an Eagle』(スティーヴ・ミラー・バンド / 1976年)

    • 『Rockin' Robin』(ボビー・デイ / 1958年、マイケル・ジャクソンカバー / 1972年)

  • 猿・ゴリラ・モンキー(Monkey)

    • 『Shock the Monkey』(ピーター・ガブリエル / 1982年)

    • 『Brass Monkey』(ビースティ・ボーイズ / 1986年)

  • 馬(Horse)

    • 『A Horse with No Name(名前のない馬)』(アメリカ / 1971年)

    • 『Wild Horses』(ザ・ローリング・ストーンズ / 1971年)

  • その他(ワニ・ライオンなど)

    • 『Crocodile Rock』(エルトン・ジョン / 1972年)

    • 『The Lion Sleeps Tonight(ライオンは寝ている)』(ザ・トーケンズ / 1961年)

    • 『Union of the Snake』(デュラン・デュラン / 1983年)


※noteで猫動画向けの無料BGMを配信しています。よかったら利用してください。

https://note.com/novafoxnine/n/nebe5a9b167d0?app_launch=false

2026年10月8日木曜日

 ジャズ・ミュージシャンで特に印象に残っている一人が、トゥーツ・シールマンス(Toots Thielemans)です。1950年代〜60年代から第一線で活躍し、日本でも高い人気を誇り「ハーモニカおじさん」の愛称でも親しまれました。彼は本格的なクロマチック・ハーモニカをジャズの世界へ持ち込んだパイオニア(開拓者)と言えるでしょう。

彼の奏でるハーモニカ、口笛、そしてジャズギターが1つのメロディーを同時に奏でるユニゾン演奏は、彼のスタイルを象徴する最大の魅力です。中でも代表曲である『ブルーゼット(Bluesette)』は、軽快なワルツのリズムに乗せたギターと口笛のユニゾンが印象的な名曲として広く知られています。

トゥーツはジャズの枠にとどまらず、幅広いジャンルのミュージシャンと共演しました。中でも個人的に大好きなのが、サイモン&ガーファンクルの解散後にポール・サイモンが1975年に発表したソロの名作アルバム『時の流れに(Still Crazy After All These Years)』での共演です。収録作『ナイト・ゲーム(Night Game)』で聴けるトゥーツの哀愁を帯びたハーモニカの音色は、楽曲の切ない世界観を見事に引き立てています。

さらに、彼の活動の幅広さを象徴するのが、1969年の映画『真夜中のカウボーイ』のテーマ曲です。切なく胸を打つあのハーモニカのメロディー(演奏)は、彼の代表作の一つとなっています。この映画で主演を務めたダスティン・ホフマンは、映画『卒業』でトップスターの仲間入りを果たしており、その『卒業』のテーマ曲や挿入歌をサイモン&ガーファンクルが担当していたという点でも、不思議な縁を感じさせますね。

また、トゥーツの演奏は日本のテレビCMでも広く親しまれました。東京ガスや大手ビール会社のCMなどで彼の温かい音色が流れたことがきっかけとなり、日本で親しみを込めて「ハーモニカおじさん」と呼ばれるようになりました。

補足:トゥーツ・シールマンスと共演した主なレジェンドたち

彼がいかにジャンルを超えて世界中のトップミュージシャンから引っ張りだこだったかが分かります。

  • ジャズ巨匠

    • クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)

    • ビル・エヴァンス(Bill Evans)

    • エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)

    • オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)

    • ジャコ・パストリアス(Jaco Pastorius)

    • チャーリー・パーカー(Charlie Parker)

  • ポップス / ロック

    • ポール・サイモン(Paul Simon)

    • ジョン・レノン(John Lennon / ビートルズ初期にトゥーツのリッケンバッカーギターに影響を受けた逸話も有名)

    • ビリー・ジョエル(Billy Joel / 『Leave a Tender Moment Alone』でハーモニカを演奏)

    • スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)

  • ボサノバ / ブラジル音楽

    • アントニオ・カルロス・ジョビン(Antônio Carlos Jobim)

    • エリス・レジーナ(Elis Regina)

    • イヴァン・リンス(Ivan Lins)

※トゥーツ・シールマンスには及びませんが、ボサノバと口笛の音楽動画を作ったので興味のある方はご覧ください。



 ヒット曲には覚えやすいメロディーや心を打つ歌詞など様々な要素がありますが、中には単調なリズムの曲もあります。つまり、シンプルなリズムで聴き飽きてしまいそうな曲でも、大ヒットにつながることがあるのです。

その代表格として挙げられるのが、アメリカのバンド「アメリカ」による『名前のない馬(A Horse with No Name)』(1972年)でしょう。リズムは単調で歌詞も情景描写が中心ですが、全米1位という大ヒットを記録しています。当時の日本では総合チャート上位に入るような記録はありませんでしたが、洋楽ファンの間では非常に人気の高い名曲です。

80年代にも、こうしたシンプルな曲が大ヒットしています。ユーリズミックスの『スウィート・ドリームス(Sweet Dreams (Are Made of This))』も、1983年に全米1位を獲得しました。あまりにもリフレインが単調なため、当時は「お経のようだ」と評した人もいたほどでした。

ユーリズミックスにはヒット曲が多く、1985年の『ゼア・マスト・ビー・アン・エンジェル(There Must Be an Angel (Playing with My Heart))』も全英1位を記録しています。こちらはメロディアスで曲の冒頭から惹きつけられるナンバーです。日本のTVドラマやCMなどでもよく使われていたため、聞き覚えがある人も多いでしょう。スティーヴィー・ワンダーがハーモニカで参加していることでも有名です。

また1984年には、ジョージ・オーウェル原作の映画『1984』が公開され、ユーリズミックスが手がけた『1984のテーマ(Sexcrime (Nineteen Eighty-Four))』がヒットしました。しかし、これは映画監督の意向に添わなかったようで、公開バージョンによっては彼らの曲が使われていないケースもありました。

個人的に「究極の単調な曲」として強く記憶に残っているのが、ホット・レッグスの『ネアンデルタール・マン(Neanderthal Man)』です。メロディーもリズムも歌詞もひたすら単調で、まさにタイトル通りの原始的な泥臭さがあり、聴いた当時は大きな衝撃を受けました。なお、ホット・レッグスのメンバーが中心となって結成されたのが「10cc」です。彼らは後に、全英1位・全米2位を獲得した大名曲『アイム・ノット・イン・ラブ(I'm Not in Love)』を発表することになります。

『アイム・ノット・イン・ラブ』の歌詞は「本当は恋しているのに、それを強がって否定する」というあまのじゃくな内容です。『ネアンデルタール・マン』も実験的な作品でしたが、『アイム・ノット・イン・ラブ』でも、アナログ時代に3人分の声で13音の音階をそれぞれ16回重ね合わせ、テープの端と端をつないで無限ループのコーラスパートを作るという、狂気とも言える途方もないレコーディングを行っています。まさに「肉声によるシンセサイザー」と言えるでしょう。

一口にヒット曲と言ってもヒットの理由は様々であり、中にはこうした実験的な試みや偶然の産物から生まれた名曲もある点が非常に興味深いですね。

※何も考えずにうまくいくこともあります。特にワークアウトはひたすら続けることだけを考えるとうまくいくかも。