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ラベル ブラス・ロック の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2026年9月21日月曜日

ブラス・ロック

 


今でもあるかもしれませんが、60~70年代にかけて「ブラス・ロック」という音楽ジャンルがありました。名称の通り管楽器をメインにしたロックバンドの音楽です。

代表的なのはシカゴ、BST(Blood, Sweat & Tears)、チェイス、アイズ・オブ・マーチなどです。シカゴやBSTはヒット曲も多く長く続いたバンドですが、チェイスやアイズ・オブ・マーチに関しては短命だった印象です。

アイズ・オブ・マーチはいわゆる一発屋と言ってもいいでしょう。「ビークル」が大ヒットしましたが、それ以外の曲はあまり知られていません。

チェイスは人気がありましたが、文字通り短命でバンドメンバーのほとんどが飛行機事故で亡くなっています。「オープン・アップ・ワイド」や「黒い炎」に代表されるように、ハイトーンのトランペットに特徴があります。チェイスの人気のせいで、ハイトーンが吹けないトランペッターのニーズが減ったとさえ言われています。

当時、飛行機事故で亡くなるミュージシャンは多く、バディ・ホリーやジム・クローチ、ジョン・デンバーなども飛行機事故で亡くなっています。当時の自家用機はセスナなどの小型機がほとんどで、故障も多かったのかもしれません。時代が違っていれば防げたのかと思うと残念でなりません。

1960年代後半から1970年代にかけて全盛期を迎えたブラス・ロックは、シカゴやブラッド・スウェット&ティアーズといった海外の先駆者たち、そして日本ではスペクトラムなどの登場によって大きな足跡を残しました。時代が移り変わり、シンセサイザーや打ち込みが主流となった音楽シーンにおいて、生楽器の金管セクションを前面に出すこのスタイルは一時期メインストリームから退いたかに見えました。しかし、近年ではインターネットやSNSの普及、そして音楽のジャンル越境(クロスオーバー)が進むなかで、新たな解釈とスタイルをもって再び熱い注目を集めています。

過去の遺産の再評価とデジタル・リバイバル

近年の大きな特徴の一つが、70〜80年代のジャパニーズ・シティポップやフュージョン、そしてブラス・ロックに対する世界的な再評価の波です。YouTubeやストリーミングサービスを介して国境や世代の垣根が取り払われた結果、当時の尖ったアレンジや分厚いホーンセクションの魅力が、現代の若いリスナーやトラックメイカーたちに「新鮮なサウンド」として発見されました。韓国のプロデューサー兼アーティストであるNight Tempoが日本の往年のブラス・ロックバンドの楽曲をリメイク・現代風に昇華させる企画が話題を集めるなど、レトロでありながら先鋭的なグルーヴとして現代のクラブシーンやプレイリスト文化に接続されています。

現代のインディー・シーンやファンクとの融合

現代のブラス・ロックや管楽器を主体としたバンド群は、かつてのプログレッシブな大編成ロックの枠にとどまらず、ヒップホップ、R&B、ファンク、さらにはEDMの要素を貪欲に吸収しています。海外のストリート発のブラスバンドや、日本国内の「在日ファンク」などに代表されるように、タイトなリズム隊と爆発的なホーンセクションが一体となり、ジャンルの境界線を軽々と越えたオーガニックかつアグレッシブなライブパフォーマンスが支持されています。単なる懐古趣味ではなく、現代の耳に心地よい重低音やグルーヴ感へとアップデートされているのが近年の大きな特徴です。

SNSと動画プラットフォームによる可視化

また、TikTokをはじめとするショート動画プラットフォームの普及も、ブラス・ロックの復権を後押ししています。圧倒的なテクニックを要する高速のユニゾンフレーズや、ライブの臨場感あふれるホーンのソロパートは、視覚的・聴覚的なインパクトが強く、短尺の動画コンテンツと非常に相性が良いからです。世界中のミュージシャンがカバー動画やコラボレーションを容易に行える環境が整ったことで、国や言語の壁を越えた緩やかなグローバル・コミュニティが形成され、現代のブラス・ロックシーンを下支えする原動力となっています。